御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「――朝ご飯、楽しみ」
彼はにこっと笑って、それから体当たりをするように早穂子の肩に体を寄せる。
(朝までいてくれるんだ……)
今、一瞬言葉を失ったのは、始が朝までいるかどうか本当にわからなかったのだが、始はすぐにそれを察知して、早穂子の望む答えをくれた。
(きっと気を使われているんだろうな……)
そう思ったが、気を使われているのなら、その気遣いに感謝するしかない。
山邑始という人は、そういう人なのだから。
「よし、さっそく茶碗の出番だな」
始は食器棚へと向かって、早穂子と始の茶碗と取り出し、それからお味噌汁用の椀を出した。
「ありがとうございます」
ままごとのようなくすぐったさを覚えながら、早穂子は食器を受け取って、手早くごはんとお味噌汁をよそった。