美体
第二章~謎の誘拐イケメン~
私が、
「ここは何処ですか?」
と言うと

一人の男性が
「そうですねぇ…催眠術っての知ってますか」 
と言った。

私は何言ってんだろうと思ったが、言葉は知っていたので、
「ええ」
と答えた。

「かかると思いますか?」
と言われ、私はかかる訳がないと思い
「思いません。」
と答えた。

「では、やってみましょう!」

「では、ゆっくり10から0まで目をつぶって数えてください。」
と言ったので、私は

「じゅう…きゅう…はち…なな…ろく…ご…よん…さん…にー…いち……

「これを見てください。」
と何やら絵のようなもの見せてきて

「……ぜろ…」
私はぜろの時点で力が入らず、眠ってしまった。

 どのくらいたっただろうか…。
私は今までの記憶を失っていた。目の前の男性に、
「お嬢様、大丈夫ですか?」
と言われ、私はなんのことか分からず

「誰ですか?」
と私か言うと、

「あー、やっぱり記憶がありませんか。私(わたくし)は、さほお嬢様の執事の一人をしている浜中ハルと申します。お嬢様からはいつもハルとよばれています。」

「どういうことですか?私はなんで記憶を失っているのですか?」

「それはお嬢様が風邪を引いているからです。だからこれからはしっかりお医者さんの言うことを聞いて下さいね。ちなみに、私の他に三人の執事がいます。また、紹介しますね。」

私はしぶしぶ、
「はい…。記憶は元通りになりますか?」

「いえ…。記憶は治らないと医者の方が言っていました。ちなみに、医者というのはお嬢様の宮谷グループが雇っている医者で田仲ユウキといいます。なんと呼んでもよろしいですよ。あっしかし、手足の力は元通りになると…お嬢様の努力次第ですが…」

「分かりました。頑張ります。」
そう…私は手足の力が全く入らなくなっていた。

 十分くらいたって、ハルが私に
「さほお嬢様の執事と医者が揃ったので、私ども、自己紹介させていただきます。」

「お願いします。」
と私が言うと、

「タメ語いいですよ。」
とハルが言った。

「わ、分かった…よろしく…」
と、照れながら答えた。

「では、始めに私、ハルから自己紹介させていただきます。改めて、私の名前は浜中ハルと申します。私は、お嬢様の心のケアをさせていただいています。私の性格を一言で言うと、そうですねぇ…しっかり者ですかね…そうお嬢様に言われていたので…まぁ、よろしくお願いします、さほお嬢様。」

「ハルはお嬢様が一番気に入っておられたんですよ。」
とハルの隣の男性が言った。

私がきょとんという顔をしたからか、
「あぁ、これは失礼します。私は山中ショウと申します。さほお嬢様には、ショウと呼ばれていました。私は、お嬢様の身体のケアをさせていただいています。私の性格は、一言で言うと、ドSですかね。そうお嬢様によく言われておりました。よろしく、さほお嬢様。」

「よ、よろしく…」

「では、私も自己紹介させていただきます。」
とショウの隣の男性が言った。

「私の名前は、山本タクヤと申します。さほお嬢様には、タクと呼ばれていました。私は、お嬢様の学園の送り迎えを主にさせていただいています。私の性格は、天使とよくお嬢様に言われておりました。よろしくお願いします、お嬢様。」

「よろしく…」
私がそういうと、ハルが
「では、お嬢様が本当に初めましての医者を紹介させていただきます。」

「紹介をいただいた田仲ユウキと申します。さほお嬢様は、お身体が弱いと聞いたので少しずつ治していきましょうね。」

「よろしくお願いします。」
と私は言った。

ーその日から私はお嬢様としての生活が始まった。ー
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