側婚
家に帰りましょう
『平太さんの側には居られません』

「って、言いました……」

「それで平太さんは?」

『分かった』

「と、言いました……」

「…それだけ?」

「それだけ……」

「何それ……。
結の事好きなくせに引きとめようともしなかったわけ?」

「平太さんは仕方ないって思ってるのかも……。
私に殴られてるし……」


『今、僕は結にキスしたいと思った…。
それって……。
結の事が好きって事かな?』

平太さんにそう言われた後から、私は平太さんにどう接していいか分からなくなっていた。

眠れない……。

考えても、考えても、分からないままだし……。

平太さんの隣で寝ているからかな……。

今日は、自分の部屋で寝よう……。



う…ん………。

私が目を開けると。

平太さんと目があった。

なっ……。

『おは…』

ボフッ!!

私は自分の枕で平太さんの顔を殴ってしまったのだ。

「驚いたからとはいえ、殴るなんて……。
やりすぎだよね……」

「やりすぎじゃないでしょ。
寝ている所を襲おうとしたんだから」

「平太さんは私を襲おうとして、部屋に来たんじゃない。
多分、隣で寝てた私が居なくなってたから、心配で見に来ただけで…」

「平太さんは結が好きなんでしょ?
なら…」

「絶対に違う!!!
平太さんは絶対にそんな事しない!!!」

私が平太さんに対して恋愛感情がない事を知ってるのに、そんな事……。

例え私の事が好きだとしても、平太さんはしない!!!
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