側婚
「結さぁ……。
本当は平太さんと別れたくないよね?」

「……別れたく…ない……」

「なら…」

「でも。
別れなきゃ。
前に言ったでしょ?」


『もしも、“好きだ!”って言ってくれる人が現れたらどうする?』


『断る』

『断る?
フるって事?!!』


『何で!!!』

『何でって……。
それは……』

『それは?』

『それは……。
傷ついてしまうから……。

私は……。
傷ついて欲しくない』


「平太さんには死ぬまでずっと……。
幸せで居て欲しいから……」

「確かに…。
いつも側に居るのに、キスも出来ない、手も繋げない、それ以上の関係にもなれない……。
辛いかもね……」

「うん……」

すごく…辛いと思う……。

「でも……。
結も辛いんじゃない?」

「うん……」

すごく…すごく…辛いと思う……。


『恋愛感情は持てませんでしたけど…』

私が恋愛感情を持てたら、平太さんと別れなくてすんだのにって……。

『一生側に居て下さい』

『はい。
側に居ましょう』

私は自信満々に平太さんに言ったのに、一生側に居てあげられなかったって……。


ずっと…ずっと…一生悔やみながら生きると思う……。

♪♪~。♪♪~。

電話だ……。
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