Sweet Love
「――お、あったあった」
萩原くんは、リュックから手を抜いた。何か握っている。彼は握っていた手を広げて、小さな四角い紙の包みをこちらへ差し出した。
――これは、キャラメル?
「これ、…わたしにくれるの?」
萩原くんは頷く。
「もしかして、キャラメル嫌いだった?」
わたしは、ふるふると頭を横に振る。
「ううん。結構好き」
わたしが手の平を出すと、彼はその上に一粒のキャラメルを落とした。
「どうもありがとう」
思わず、口元が綻ぶ。わたしは、キャラメルを手の中に軽く握り締めた。
「いいえいいえ」
と、彼もすぐに破顔した。
――あ、そうだ…お昼のお誘い!
よし、今訊いてみよう。
「…萩原くん。今日一緒に、…お弁当食べない? ほら、牧原くんと、裕子も入れて四人で……」
何だかどうしてもぎこちない言い方になってしまう。上手く伝わっただろうか。二人で食べたいと言っているわけではないから、きっと大丈夫なはずだ。深い意味として受け取ってもらうと、少し困る。不安に思いながら、萩原くんの次の言葉を待った。
萩原くんは、リュックから手を抜いた。何か握っている。彼は握っていた手を広げて、小さな四角い紙の包みをこちらへ差し出した。
――これは、キャラメル?
「これ、…わたしにくれるの?」
萩原くんは頷く。
「もしかして、キャラメル嫌いだった?」
わたしは、ふるふると頭を横に振る。
「ううん。結構好き」
わたしが手の平を出すと、彼はその上に一粒のキャラメルを落とした。
「どうもありがとう」
思わず、口元が綻ぶ。わたしは、キャラメルを手の中に軽く握り締めた。
「いいえいいえ」
と、彼もすぐに破顔した。
――あ、そうだ…お昼のお誘い!
よし、今訊いてみよう。
「…萩原くん。今日一緒に、…お弁当食べない? ほら、牧原くんと、裕子も入れて四人で……」
何だかどうしてもぎこちない言い方になってしまう。上手く伝わっただろうか。二人で食べたいと言っているわけではないから、きっと大丈夫なはずだ。深い意味として受け取ってもらうと、少し困る。不安に思いながら、萩原くんの次の言葉を待った。