最低男子
『お茶と水、野菜ジュース』
「紗菜」
と、
当たり前の顔で言う陸。
恥ずかしすぎて…笑って誤魔化す事くらいしかできない。
それにしても、誰もいなくて、良かった…
私は、なんだかんだ運が良いのかもしれない。
『お茶でいい?』
「うん」
お茶を陸に渡し、何気なく隣に座ると…陸は陸らしくない事を口にした。
「お前、本当に彼氏いんの?」
今の陸はきっと、
何を言っても受け取ってくれるよね。
そう信じている。
私は隠すことなく素直に『いる』と答えた。
「紗菜は幸せか?」