浅葱の贖罪

逢瀬

1858年、4月22日
「勇さん。勇さん。起きて下さい。勇さん。」
あぁ。葉月の声がする。朝からいい気分だなぁ。

「もう、勇さんってば!ぅう~。こうなったら、めいちゃんのごとく、おきろー」

葉月の凛とした威勢のいい声がキーンと私の中に響いた。

「うわぁー。起きましたから。大きな声出さないで下さい。」

私が重い目を開けると、そこには、いつもに増して、元気な葉月がいた。

「だって、勇さんが起きないのですもの。」
口をすぼませた葉月が愛らしい姿で言った。

「そんなことより、忘れていないですよね?」
葉月はとっても楽しそうな顔で私に尋ねた。

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