虹の翼

ファナルティスは礼をすると「単刀直入に話せ」と言った父に意に答え、

「フェリシア姫付きのリリアは先ほど目を覚ましました。休養を確り取ればフェリシア姫の護衛役の仕事にも問題はありません。」……一安心、だな。

「分かった。」父さんも一安心の様だ。

そんな時、気絶していたアグニスが目を覚ました。

暴れないように氷で作った結界を張っといた。

詠唱から発動まで0,04秒………もうちょっと短縮したいな。

「……ケイオス、そういう事は護衛役か魔術師に任せて良いんだ。」父さんからの苦言が出た。

「申し訳ありません。」素直に謝っとく。

「陛下…シェリシア?」は?

「………何を言っている?ここに居るのはフェリシアだ。」

「シェリシアは魔術具研究室に居るのでは?」

「それはここに居るフェリシアだ。…誰にその事を聞いたのだ?」父さんとアグニスの対話が続く。

「アズール女侯爵です。薬を渡されて、これを相手に振りかければ自分の思い通りになる、と聞かされて………そんな都合の良い薬有るわけ無いと拒否したのですが、何かしらの魔術陣に引っ掛かってからあまり記憶が無くて…」父さんがファナルティスに目線を向けるとアグニスの診察を始めると、「やはり、」と小さくファナルティスが呟いた。

「洗脳された痕跡が有ります。今はもう効力を発揮出来るほど強くありませんがかなり強いものの様です。」
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