虹の翼
「あぁ、セレナ先生か。良くしごかれたよ。」クスクスと笑っている父さん。
「えっしごかれたって…」完璧超人(美青年…まぁ、実年齢は中年に入りそうだけど。)に見える父にびっくりした。
「最初から完璧ではないからな。」確かに。薙刀でもコツコツとした積み重ねが重要だ。
「……さて、そろそろ帰るか。」そう言った父は立ち上がると母も優雅に立ち上がると俺も椅子から降りると父の後ろについていった。
―帰りの空域―
空船に(空船なのは俺がまだ飛べないからと、防衛的な問題で)乗って空の旅を俺は楽しんでいた。
まぁ、空船の外には護衛たちがいるけど。
そんな時にゆっくりと空船が止まった。
___?
___ケイオスと言う第一皇子はいるかい?
知らない女性の声がした。
__シエル・サーヴィランス……何故……
聞こえてきた護衛たちの呟き。
(サーヴィランス?……監視者?)和訳しながら斜め向かいに座っている父を見上げた。
「……暫く待っていなさい。」そう言った父は扉を開けると綺麗な宵闇の翼を出した。
ばたん、と扉が閉まると母と二人きりになった。