君が思い出になる前に…
絵美
 紀子との誤解が原因で、終わってしまう事には変わりないと言う事か…。
やっぱり少しズレた世界なんだ…。
今更ながら思っても仕方無いけど。

「正直に話すよ…」無言の時間を断ち切った。
「うん…」
絵美の目は潤んでいる。
「絵美はタイムスリップって、信じる?…」
「タイムスリップ?…」
紀子とどういう関係があるんだろうと思ったに違いない。
「現実に起きてしまったんだ…。おれと加賀の二人に」
「え?意味わかんない」
当然の反応だろう。「おれもね、なんでそうなったのか、分からないんだけど、事実なんだ…」
絵美の顔は真剣だった。
「おれ実は、2007年、つまり今から15年後の世界から来たんだ。普通に考えるなら、大人の、30歳のおれがこの時代にくるのがタイムスリップなんだろうけど、体まで15歳になってしまったんだ」
「えぇ~!本当に!?」
さすがにおどろいた絵美。
「この世界に来たのは、4日前の6月10日…。朝、目が覚めたら15年前に戻ってた。なんの理由があってここに戻ってきたのかは、分からない。どうやって来たのかも。本当に突然そうなったんだ…」
「4日前って?その前から祐ちゃんいたじゃない…」
「うん…。もちろんいたんだろうね」
この返答は難しい…。
「原因も、ここに来た理由も、なにもまだわからないんだ…。おそらく4日前にいたおれと、入れ替わってしまったんだと思う…」
「わからない、どういう事なんだか…」絵美の顔が曇ってきた。
「気が振れた訳じゃないよ。ふざけて言ってる訳でもないから。信じられないかも知れないけど、事実を話してる…」
絵美はゆっくりうなずいた。
「加賀さんも祐ちゃんと一緒にきたの?」
「加賀は、おれより1年前に来たらしい…」
「来たらしい?」
「うん。ある事がきっかけで、加賀もタイムスリップしてきた事がわかったんだ」
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