君がいなくなって
「真由…、真由」

体を揺すられる。

うっすらと目を開けたらそーちゃんが。



あ、そっか。



私は目をパチッと開けた。

ベッドに入ろうとして、そのままリビングで寝てしまった。

時計を見ると夜中3時。



「ただいま」

そーちゃんは私の額にキスをした。

「おかえり〜」

お腹に邪魔をされながらも何とか、そーちゃんの背中に手を回してギュッと抱きしめる。

「昨日は一人で大丈夫だった?」

「うん」

実家から帰って来て。

初めて丸1日、1人で過ごしたけど。

案外大丈夫だった。

って、今までが周りに人が常にいすぎたのよね。

「どうだった?」

「今回は12位だったよ」

300キロ耐久レースだから大変だよね。

ペアライダーがいないから。

本来なら拓海くんだった。

8耐も拓海くんと組む予定だったのに。

一応、ペアライダーを探しているけど。

どうなるかわからないらしい。



「そーちゃん」

私は決心をして顔を上げた。

「今度のおやすみ、一緒に実家に行ってほしい」

そーちゃんは頷く。

とにかく。

整理しよう。
< 113 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop