君がいなくなって
砂浜が広がっているこの海は。

波も穏やかで。



いつか拓海くんと来た海に何となく似ていた。



波打際で、私とそーちゃんは裸足で歩いている。

波が足に当たって気持ちがいい。



今日は晴れて良かった。

連日、梅雨のうっとうしい雨が続いていたのでどうなるかと思っていたけど。

「暑くない?」

そーちゃんは涼しい顔で振り返る。

「大丈夫」

私は笑った。



普段では味わえない、のんびりとした時間が過ぎていく。
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