君がいなくなって
「寝れる?」

その問いにうん、と頷くものの。

いくら細身のそーちゃんとはいえ。

私と2人じゃ、ベッドは狭かった。

そーちゃんは躊躇いながら私の背中に手を回すと

「嫌ならすぐに言って」

と小さい声で言った。

「大丈夫」

私は笑って頷いた。



久々にその日はよく寝た気がする。

拓海くんが亡くなり、それからは熟睡出来ない日々。

一人でいると。

朝起きた時に泣いていたり。

そんな事ばっかりだったけど。

ひょっとしたら。

そーちゃんと一緒にいたら。

そういうのは無くなっていくのかな。
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