君がいなくなって
その相手は。

池田さんだった。



私も沙織さんもモニターの見える位置に行って確認をする。

「そーちゃん、スゲー!」

祥太郎くんは目を輝かせていた。

ヘアピンで2位の池田さんを一旦抜いたけど、その後のシケインで抜き返されたり、それでも二人の差はほとんどないので、お客さんは大喜びでこのバトルを見ていた。



あ、また。

お腹が微かに動く。

君のパパは今、凄いレースをしているんだよ。



結局。

2位は池田さん。

3位はそーちゃんで。

そーちゃんはこのクラスで初めて表彰台に上がる事になった。



「おめでとう!」



ピットに戻ってきたそーちゃんはチーム関係者と握手したり抱擁したり。

最後に私の所へやって来て、

「真由と赤ちゃんのお陰かな」

と、優しく私を抱きしめた。
< 66 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop