君がいなくなって
6.幻影
「わ〜!真由ちゃん、綺麗!!」

4月25日。

結婚式当日。

ドレスを着た私を見て、祥太郎くんは感嘆の声をあげた。

お腹は何とかギリギリ。

これ以上遅い時期だと危なかった。

このドレスはこれ以上大きなサイズはないから。

「写真撮って!!」

祥太郎くんは彩子さんにカメラを渡して私と写真を撮った。

まるで。

拓海くんそっくりな行動をするのでびっくりする。

最近は少し背も伸びて、顔つきも大人っぽくなって。

それでもまだ背は私の方が高いけど。

仕草や表情がそっくりで戸惑う事が多い。



「真由」

後ろから声をかけられた。

「かれん!」

そこにはドレスアップしたかれんが。

「真由、久しぶり!!」

電話はよく話をするけれど、会うのは卒業式以来。

「似合うね〜」

と言ってかれんは笑った。

「来てくれてありがとう」

私はかれんの手を握る。

かれんも握り返してくれる。

「本当におめでとう」

その言葉に笑って頷いた。
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