君がいなくなって
今日は穏やかに晴れていて、暖かい。

そこから見る景色はお昼でもすごく良くて。

ちょっと心が和んだ。

でもやっぱり。

思い出してしまう、あの日を。



「…大丈夫か?」

いつの間にか涙が流れていて。

そーちゃんは私の体を抱きしめた。

「ごめん…」

腕の中で私は謝った。

「いいよ…」



しばらく、私は泣いていた。



もう、泣かないって思ったのに。

お腹が大きくなるたびに、そーちゃんに優しくしてもらうたびに、罪悪感。

やっぱり、拓海くんの存在が大きくて。

どうしようもない。

この板挟みの状態を、私はいつか抜け出せるんだろうか?
< 69 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop