アマービリタ
訪問者
カラン…と入口のドアが開く音がした。
そのあとすぐ、
「ごめんください」 とか細い声が、静かな空間に響いた。
入口には、低めの身長で体は細く、髪は黒めのストレートロングの女の子が、不安そうにこちらを覗いていた。
しかし、ごめんくださいとは、今時のオシャレなカフェにはなかなか似つかないご挨拶だ。そんなことを吸いかけのタバコの吸殻を、灰皿に落としながら思っていた。
いっこうに返答をしない俺に、戸惑いだしたその女の子は何故かもう一度、「ごめんください」とさらに小さな声で、今度は俺の目を見て問いかけて来た。
「ああ、すみません。まだ営業前ですので外でお待ちください」
そう答えると、女の子はさらに動揺し始めた。
なんなんだ?客じゃねぇのかよ。
「もしかして、俺の噂聞いて来たとか?」
そうため息混じりで答えると、さっきまでの動揺は消えパッと笑顔を見せて頷いて来た。
やっぱり“あの噂”目当てか…
でもそうだとしたら違和感がある。
そんな笑顔で頷くものではないと思うが。
「あの、広江 源さんから聞いて来ました!今日からここでお世話になります、箕作 律と申します!よろしくお願いします!」
「………。は?」
予想外のことに今度は俺が動揺を隠せず、吸っていたタバコを口から落としてしまった。
そのあとすぐ、
「ごめんください」 とか細い声が、静かな空間に響いた。
入口には、低めの身長で体は細く、髪は黒めのストレートロングの女の子が、不安そうにこちらを覗いていた。
しかし、ごめんくださいとは、今時のオシャレなカフェにはなかなか似つかないご挨拶だ。そんなことを吸いかけのタバコの吸殻を、灰皿に落としながら思っていた。
いっこうに返答をしない俺に、戸惑いだしたその女の子は何故かもう一度、「ごめんください」とさらに小さな声で、今度は俺の目を見て問いかけて来た。
「ああ、すみません。まだ営業前ですので外でお待ちください」
そう答えると、女の子はさらに動揺し始めた。
なんなんだ?客じゃねぇのかよ。
「もしかして、俺の噂聞いて来たとか?」
そうため息混じりで答えると、さっきまでの動揺は消えパッと笑顔を見せて頷いて来た。
やっぱり“あの噂”目当てか…
でもそうだとしたら違和感がある。
そんな笑顔で頷くものではないと思うが。
「あの、広江 源さんから聞いて来ました!今日からここでお世話になります、箕作 律と申します!よろしくお願いします!」
「………。は?」
予想外のことに今度は俺が動揺を隠せず、吸っていたタバコを口から落としてしまった。