シュガーとワルツは踊らない♡ドキドキ同居生活♡
「一限目は数学だっけ?」
慌てて鞄の中に手を入れて教科書を探す。
「そう。
だけど、数学の山内先生、奥さんが産気付いて病院に向かう事になったから今日は自習になったって
さっき日直の砂藤くんがーー」
「やった! 自習ラッキー!
って砂藤くん?」
喜んだ直後、頭にクエスチョンマークを浮かべる私に
いちるは嘘でしょ、と言わんばかりの顔をした。
「やだ、琴梨。
クラス替えしてから結構経つんだし
流石にそろそろ全員名前覚えようよ...」
「ごめん、ごめん。努力するよー」
そうは言っても、あまり話した事が無い人や特徴が無い人はクラスメイトであっても覚え辛いのだ。
こんな人居たなーって名前は浮かんでも顔と一致しなかったり。
小中学生の頃はクラスでも学年全体でも、まだ人数が少なかったし
友達沢山作ろう!って意欲もあったから割とすぐに名前も覚えられたし
自然学校だとか、オリエンテーリングだとか行事もてんこ盛りで短期間の内に自然と仲良くなって話す様になったけれども。
流石に高校はそうはいかないのだ。
そもそも、もう自分から友達作らなきゃ!とか身構える年でもないしね。
転校生とかなら別だと思うけど。