シュガーとワルツは踊らない♡ドキドキ同居生活♡
「目玉焼きとスクランブルエッグ、どっちが良いー?」
「スクランブルエッグー!」
制服に袖を通し、洗面台で顔を洗い、髪をいつも通り結いながらキッチンから届くお母さんの問いに答える。
「うん、今日の私も良い感じ!」
洗面台の鏡に向かって、にっこりと笑顔を作ると足早にリビングへと向かう。
リビングのドアを開けると朝御飯の美味しそうな匂いが鼻腔を擽った。
「わーい! クロワッサンだ 頂きますっ!」
食卓に掛けてすぐさまクロワッサンに手を伸ばす。
「はい、スクランブルエッグ」
「わ、有り難うー」
そこにお母さんがフライパンに乗った出来立てのスクランブルエッグをサラダが乗ったプレートの脇に入れてくれた。
早くも2個目のクロワッサンを口に突っ込みながらスクランブルエッグにかけるべくケチャップに手を伸ばす。
その間にもお母さんはテキパキと調理器具の後片付けを始めていた。
「お母さんはー?」
「あんたが寝てる間にちゃっちゃと朝御飯食べたわよ」
「そっかー」
まあ、何となくそうだろうなとは思ってたけど。
クロワッサンを喉の奥に押し込みながら、スープをずずっと啜る。
早いとこ食べちゃって家出ないと。