花の色は 移りにけりな いたづらに
御堂 暁臣…
華道久遠流本家嫡男で幼なじみ。
そして私はこの人の許嫁…
「どうしてって?どうしてだと思いますか?」
私はこの人の笑顔が苦手だ。
何もかも見透かして、何もかも思いのままになるという自信に満ち溢れたこの人の笑顔。
「私には分かりかねます…」
思わず俯く。
「まさか君はお稽古を辞したことで許嫁まで辞することができると思っているのですか?」
「それはっ!!」
勢いよく顔を上げると、すぐそこまで来ていた彼の指に顎を掬われる。
「なんですか?…ちゃんと俺の目を見て話しなさい」
「…っ! お、お稽古を辞するということは、実質的にお家元の妻になる資格を失うことに値します!そういうしきたりだったはずです!」