カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。


 時間を作って話す約束をする。そんな改まって、何を話したいんだろう。



「じゃあ、ぼく店に出ますね」

「うん、頑張って」



 陽希くんを見送ってから、わたしも帰り支度をする。最近、仕事終わってから陽希くんと話をするのが当たり前になったな。


 なんか、可愛らしくて癒される。
 そうか、癒されに来てるのかもしれない……。



「あ。冷やし中華」



 夏彦さんが作る冷やし中華、すごく楽しみ。


 私がアパート見つけて、一人暮らしするようになったら食べられなくなる。それこそ、はぴねすで食べるしかない。


 切ない。
 でも、私は進まなきゃいけない。ずっと夏彦さんに頼りきりじゃ駄目だから。

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