カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。

 さて、いざ厨房へ。
 今度こそシェフに会わなきゃ!


 しかし、なぜか厨房には鍵がかかっていた。



「屋島さん!? いるんですよね!! わたし、今日から働き始めました。高瀬麗です。挨拶したいんですけど!!」

「……チッ」



 気のせいか、舌打ちがすごく近くで聞こえた気がする。気のせいであって欲しい。



「屋島さん! わたし今日は帰りますけど、また来ますからね!!」



 無反応。
 聞こえているのか、いないのか。わたしなりに頑張って伝えたつもり。また今度挑戦しよう。


 しかし、なぜ出てきてくれないの。


 前から思ってたけど、はぴねすで働いている人って変わってる?
 まあ、時間の関係で午後出勤の人にはまだ会えていないから全員が、とは言えないけど。


 少し不安になってきた。
 わたし、ここでやっていけるのかな。

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