君のひだり
伝えたいことがたくさんあるのに上手く話せない。


私は手に持っていた袋に気づいて慌てて蒼瀬を呼び止める。


「蒼瀬!これ、私から。」


「何?これ。」


「あっちに着いてから開けてみて。それと、・・・・・・私、願ってるから!手術が成功すること、また帰ってくること、それから、またあのグラウンドでサッカーすること!!蒼瀬のこと、待ってるから!」


これが私の精一杯。


本当は大好きだと伝えたいけど・・・


話してるうちに流れた涙を蒼瀬は優しくすくってくれた。


そのまま蒼瀬は今まで1番強く私を抱きしめた。

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