操られ人形
只今午後の一時。いつも通り紫月ちゃんと彪我の三人で行動中。
「楓彩ちゃん…まだみつからないの?」
「うん…困ったよ…」
私が探しているのはトルトの能力者。7人全員集まった時何かが起こるとかで学校中噂になってる。名前を知っているのは今の所隣にいる彪我だけ。
「情報不足でさぁ…。だいたい、トルトという事を隠しているから…。俺達だって紫月にしか言ってないし…そこがなぁ」
「トルトもヒトも平等な世界なら隠すこと無く暮らせるのに…」
「そこまで落ち込む事ないよ!ヒトもねトルトの人達と全然変わらないよ…」
「変わるさ…紫月達は成長できる。俺達は?…できない。そこが大きな所…」
「ま…まあ、そうだけど…」
「というか、いつも同じ会話だよぉ…たまにはさ違い話しようよ…同じ話ばかりで飽きてきた…」
「おいおい…。…と、いうか楓彩?」
「なに?」
「お前、能力使えよ…そしたらイチコロだろ…」
「ふぇぇ…知ってると思うけどさ体力いるんだよ…。今夏だしさ、もっと疲れるよ…」
「じゃあ入学当時なんでやんなかったんだよ…。だいたい全ての能力者がここに集まっていること自体不思議なんだしさ…」
「言われてみれば…。誰がそんな面白い事をしたんだろう…」
「奇跡じゃ無さそうだしなぁ…」
「はぁ……。ん?」
「楓彩?」
「楓彩ちゃん?」
「今、体育館で…」
「っ!?」
「行ってみよう!」
「紫月ちゃんは教室に戻ってて、ヒトがいたってなったら逆にダメになっちゃうかも…だから!」
「分かったよ。教室で待ってる。でも、チャイムがなるまでにちゃんと戻ってきてよ!いつも遅いんだから…」
「今日はちゃんと守るからぁ」
「はいはい。早く行きな、楓彩ちゃん!」
「うん!」
「移動した気配は?」
「…まだ。でも一瞬見えたんだけど、今噂の月輝さんかも…」
「あの学校一美人とかっていう?神楽 月輝か?」
「そう!私達のリボンとネクタイって青じゃん」
「だな」
「三年生が赤だったよね」
「そう。二年が明るめの緑だな。リボン赤だったのか?」
「うん!」
「体育館内どうなってんだよ…キャーキャーと…」
体育館の入口で私達は止まる。目先には一人でステージに立つ赤いリボンの女の子。
ステージの下には女の子が沢山。
「月輝〜!!」
「みんなの言う、神楽 月輝だよ!三年生!」
「…能力使ってるんだ」
「は?」
「『集』の能力…」
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