黒桜~サヨナラの前に~
久し振りだから、何処に何があるかなんて忘れちゃったよ。
「……あんたが、噂の元姫?」
「え?」
『元姫』の言葉に反応して、その声の方向を向く。
そこには、5人の男がいた。
誰?あたしがここにいた頃には居なかったよね?
ていうか……こいつら、暴走族……だよね?雰囲気からして、結構強そう。
「……初めまして!あたしは、嚶崎舞娜です。えーと……理事長室って何処でしたっけ?」
相手にしちゃいけない。もし、喧嘩を売られたら、全部が意味なくなる気がするから。
「……2階の一番端。」
「えっ?あ、はい。ありがとうございます……!」
まさか、本当に答えてくれるとは思っていなかった。
あたしを噂の元姫って言うから、コイツらもあたしを嫌っているのかと思っていたのに。