黒桜~サヨナラの前に~



久し振りだから、何処に何があるかなんて忘れちゃったよ。



「……あんたが、噂の元姫?」



「え?」



『元姫』の言葉に反応して、その声の方向を向く。



そこには、5人の男がいた。



誰?あたしがここにいた頃には居なかったよね?



ていうか……こいつら、暴走族……だよね?雰囲気からして、結構強そう。



「……初めまして!あたしは、嚶崎舞娜です。えーと……理事長室って何処でしたっけ?」



相手にしちゃいけない。もし、喧嘩を売られたら、全部が意味なくなる気がするから。



「……2階の一番端。」



「えっ?あ、はい。ありがとうございます……!」



まさか、本当に答えてくれるとは思っていなかった。



あたしを噂の元姫って言うから、コイツらもあたしを嫌っているのかと思っていたのに。


< 7 / 196 >

この作品をシェア

pagetop