黒桜~サヨナラの前に~
「……え?」
あたしを取り囲むように側に立ちはだかる奴等。
「っ……皆……!?」
何で、来たの……?
数分前にあたしは黒桜の姫になれって言われた。
でも、あたしは勿論断った。陸達以外に仲間なんて、作りたくも無いから。
なのに、何で?
何で、あたしの側にいるの?
あたしには人の優しさなんてもの、要らないのに。
「お前ら……、誰だよ。」
恋蘭が黒桜を知らないのは当然……。
黒桜は全国を背負う暴走族。そう簡単に正体がバレたら困るもんね。
「あ?自己紹介すれば良いのか?」
「えぇ?そんなのしないし~!コイツらが調べれば良いじゃん!」
「確かに。……てことで、自分等で調べて?」
不適な、妖艶な笑みで敵を惑わせる。
噂は本当なんだ。
「舞娜、行くぞ。」
「ぇ……は!?」