黒桜~サヨナラの前に~
「それじゃあ、あたし、クラス行くから。」
「あ?あぁ。担任は……」
「要らない。アイツ、めんどくさいし。」
幸ちゃんとあたしの知り合い。幸ちゃんと違って結構めんどくさい……と思う。
それにあたし、この学校では、幸ちゃんと担任以外の人達に嫌われてるから。
「そっか。気を付けろよ。」
「ん。」
幸ちゃんの良いところは、しつこく無いところ。だから、あたしも気ままにできる。
教室は、2年3組。残念なことにこの明光学園は不良高だ。だから、暴走族に入ってるやつらが大半。
しかも、2年3組はあたしの嫌いな暴走族の幹部達が全員いる。
その族の名前は『恋蘭~レンラン~』。全国No.2。あたしも、ちょっと前まではそこの族の姫だったんだよね。
今となっては、最悪な過去だけどさ。
「っと、ここだ。」
教室に来るまでに、まだ廊下に居た奴等から痛~い視線を貰った。