Kissの温度
3.再会のKiss
雨に濡れたまま歩いていると
いきなり後ろから
誰かに肩を掴まれ
その勢いで
体勢を崩しそうになった。



「おい、何やってんだよ。」



声の主をちらっと見ると
キャップの上から
フードをかぶり
サングラスをした男。



なんか見覚えがあるな‥‥



ぼーっとした頭で
彼を見つめた。



「風邪引くぞ!」



怒った声でそう言うと
私の手を引っ張り走り出す。



私はされるがままに
彼の背中を見つめながら走った。




少しして雨がしのげる
建物の下に入る。



彼はフードを取り
サングラスを外し
目深にかぶった
キャップから
私をじっと見つめた。



瞳が薄いブルーだ‥‥



ぼんやりした頭で
彼の瞳を見つめていた私は
その瞳から目が離せず
そのまま吸い込まれそうな
感覚に陥る。



するとーーー



「あんた、何やってんだよ!
こんなどしゃ降りの中
ぼけっとしてんな!」



彼は勢いよく
私に向かって怒鳴りつけた。



な、何いきなりっ!?誰!?



‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥
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