ちび太とゴリさん。
「ゴリさん……」
私の気のせいなら良いのだが……なんだか、うるうるした瞳で私を見ているような……
「な、なに?」
「俺の良いところって??」
「…えっ……良いところ……」
適当に言った言葉だから、もちろんちび太の良いところなんて1つも思い浮かばない。
けれど、ちび太は私を期待の眼差しで見ている。
実は何もありません。なんて、とても言えない。
でも、一応人なんだし……探せば良いところ1つくらいは見つかるんじゃ。
そう思い、私はアイツを凝視した。