ちび太とゴリさん。
うーーーーーーん。
斜めから見てみたり、下から見てみたり、1周回ってみたりしたが……そう簡単に良いところなんて見つからない。
「ゴリさん??」
そのくせ、ちび太のヤツは私の気も知らず、期待の眼差しを向けてくる。
けれど、見当たらないものは見当たらない。
無いものは無いんだ。
適当に言えるようなものすら思いつかない。
だから、一か八かの行動に走る。
「良いところ、本当に今聞いていいのか??」
「なんで?」
「今じゃなくて、落ち込んだ時に、もうダメだって思った時に聞いて励みになった方が良いんじゃねぇの?」
ある意味で一種の洗脳。
あたかもそれっぽい言葉を並べて、後日に引き伸ばしできるよう取り組む。