イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇



もうあんな怖い思いはしたくないと思い、警察の人の言う通り、逃げるように今までの生活を捨てた。
物事を深く考えない行き当たりばったりの適当な性格が、今、自分自身を窮地に追いやっている。

とにかく住む所を探さなきゃ…
それまではネットカフェに泊まるしかないな…

木の実は貯金の残高を思い浮かべ大きくため息をついた。
俊樹にうかつにも20万を貸してしまい、そして、あの恐ろしい人達に追われる事になり引っ越し代と荷物を預かってもらっているトランクルーム代で10万は飛んでいった。
この残高で借りれる家があるのだろうか…

木の実は、今日、バイトの面接があるのを忘れていた。
昨日、フラワーショップで超高額時給のバイト募集をネットで見つけ、すぐに電話をしたら、翌日の今日に面接をしてくれるとのことだった。
木の実は駅のコインロッカーにスーツケースを入れて、その花屋の入ってるビルに向かった。
木の実の実家は小さな店ではあるが、代々続く花屋だった。
花の名前や特徴はもちろん、さらに香りで花の名前を大体当てることができる。
高額時給のバイト先をゲットするためには、そういう事を少しでもアピールできればと真剣に考えていた。

木の実は、その店の近くまで来て息を飲んだ。
ここは一流企業の自社ビルが軒を連ねる超セレブな大通りだ。
家も職もない木の実とは真逆の人間が、通りを埋め尽くしている。


木の実はそのフラワーショップを目にすると、圧倒されて後ずさった。
だって、あの高額時給にふさわしい超セレブな門構えを見て、私みたいな庶民はそこが花屋だなんて絶対思わないもの…









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