<BL> お前は俺のものだ。~杉山京介side~
ある日 叔父の訃報が届いた。
小説家だった、叔父のことを調べると、あるアパートを借りていることがわかった。
叔母、叔父の編集担当、そして俺と三人でそのアパートへ足を運ぶと――。
部屋の中から、男の子が出てきた。
叔母はその子について訪ねると、
「お、お父さんはどこですか?」
と、緊張した声で返してきた。
叔母は心当たりがあったのか、突然、ヒステリックに騒ぎ立てた。
叔父の編集担当は、叔母を宥めていたが、その男の子は叔父のことに訪ねてきた。
母親は居ないようだから、唯一、叔父が心の支えだったのだろう。
そして、叔父の死を伝えると、その子は、嘘だと良いながらも、耐えきれなかったのか、倒れてしまった。
「とりあえず、うちの病院に運ぼう」
「私は、認めない、こんな子供!
私が、どれだけ、どれだけ――
小太郎さんが子供好きだと知って、子供が出来にくいと知って、私がどんなに絶望したか!
ただ、好きで側にいたくて、家事も努力していたのに、子供が出来ないくらいで、他の女にとられたなんて、絶対に認めない!」
この子は何も悪くないのに、
敵意を向けられるのは理不尽だ。