【完】僕達のレンアイ事情
「…紗奈」


「竜二、好き。大好き。傷つけてごめんなさい」



涙を零しながら俺のことを〝大好き〟って離す紗奈はとても可愛くて。



「学祭終わったら俺の部屋きてよ」



そう告げて紗奈の唇にキスを落とす。



「竜二、好き」



今度は紗奈から俺の唇にキスをしてくる。



「おまっ、俺止まんねぇよ?はやく家に帰りてぇもん」


「学祭サボろうか」



紗奈のニコッと笑う顔にドキっと胸が高鳴る。



「大丈夫なのかよ」


「うん、仕事は終わったし。竜二といたい」



俺の手を取って俺を立たせる。



「悪い子」



頭をぐしゃぐしゃっと撫でる。



「行こうか」


「うん!」



差し出した俺の手に紗奈の手が重なる。


この些細なことでも
ついさっきまではできないことだった。



「もう離さねぇからな」


「うん。離れない」



俺らのこれからはまたなにかあるかもしれない。
たぶん一緒にいる時間が長い分なにかあるだろう。

でも、ずっとこの手を掴んでいきたい。
一緒にいたいと思えるのは紗奈だけだから。


-Fin-


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