【完】僕達のレンアイ事情
「ごめん、俺今日人数合わせできただけで…嫁も子供もいるんだ」



丈が気まずそうに話す。



「なんだぁー。いい感じになれるかと思ったのに」



千夏ちゃんがショボンとする。



「ご、ごめん。まさかそこまで気に入ってくれるとは思わなくて…」


「丈もさ、やしないるんだからあんま思わせぶりなことしないほうがいんじゃね？」


「祐希が悪いんだろ。俺なんて誘うから」



丈が一気に不機嫌になる。



「なんで急に不機嫌なんだよ」


「お前がやしなって言うから」



丈の言葉にみんなの視線が丈にそそがれる。



「よっぽど好きなんだね…」



千夏ちゃんもわかったみたいではぁっとため息をつく。



「だいたい俺中学からずっとやしなって言ってんじゃん」


「そんなんずっと嫌だわ。篠原いんだし、もう苗字で呼べ」


「いやもうあの頃と苗字違うし」



こんなやり取りをしつつ、お店を後にする。

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