【完】僕達のレンアイ事情
「あー!もう来てるー!」



ゾロゾロと教室に懐かしい顔が現れる。
変わってない奴もいればすごい変わってる奴もいた。



「神谷、なんかカッコよさに磨きかかってない?」



俺の横にきて顔をのぞき込むのは光。
やしなの親友的な子だった。



「そうか?」


「高校時代は彼女たくさんできたって聞いたよ?」


「なんでそんな話…たく誰だよ」



たしかに俺の高校時代はたいして褒められるものではないけど。
たいして好きな奴もちゃんとできないのにしっかりと彼女は欲しいという希望はあって。



「聞いたのはやしなだけど」



光から出てきた〝やしな〟の声に口にしていた飲み物を吹き出しそうになる。



「なにやってるの」



紗奈が俺にティッシュを渡してくれる。



「サンキュ」



紗奈からもらったティッシュで口元を拭く。



「わー!もうみんないるじゃん」



元気に入ってきた声に俺の視線はドアに移る。
声だけですぐに誰か分かってしまったから。

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