【完】僕達のレンアイ事情
「土曜日なんだけどさ…」


『土曜日?』


「俺と会ってくれないかな?」


『え…?』



俺の突然の誘いに戸惑いの声が聞こえる。



「丈の許可は取ってるから」


『え、そうなの?あ、だから丈から電話きたのか…』



スマホの中でやしなは〝うーん〟と考えてる。


すぐに会うこともOK貰えるなんて思っていない。
だから先に丈に話したんだ。



「ちょっと貸して」



丈が俺からスマホを奪う。



「神谷と会ってやってよ」



丈がここまで俺のことをしてくれるとは思ってなくて正直びっくりする。
きっとやしなもびっくりしてるはず。



「俺、悠人見てるからさ」



やしなと話す丈の表情は他の誰と話してる時よりも柔らかく笑っていて。
俺の入り込む余地なんてないんだってことがつたわってくる。



「やしな会うってさ」



電話が終わったらしく、スマホを耳から離す。



「ありがとう。ほんとにありがとう」



これは本当に丈がお願いしてくれなかったら叶わなかったと思う。


俺と紗奈の未来のために。
ここはしっかりと伝えてきたい。

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