約束ノート
零士のパジャマのズボンがメラメラと燃え始めた。

「あの子達にも火を付けた!あとは健太君!君だけなんだ!…僕等は生きてちゃだめなんだ!」

零士は動けずに、叫ぶしかなかった。

健太は必死に遠ざかる。

辺りは零士がこぼした灯油に引火したのか、激しく燃え上がっている。

零士の姿は火に飲まれて見えない。

健太はいも虫のように這い、無我夢中で前へと進み行く。

バキバキと木が燃える音が木霊する。

天井付近は真っ黒な煙が充満している。
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