湖都子のポエム7
俺から離れていかないで……告白

近くにいるのに
キミをなぜか遠くに感じた

キミは何を思ってるんだろう?

キミの優しさにふれるたびに嬉しくて
オレの心に欠けたものを埋めてくれる

だけどあっけなく離れていく2人の距離
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あの日から、桜ちゃんがこなくなった。なんで?今までと違う態度に戸惑う。

桜ちゃんに出会ったのは偶然じゃなくて必然だと思ってた。だけど、桜ちゃんが接客するのは俺じゃない。他の客に向けられた笑顔……なんで他の男に笑ってんだよ……俺にも笑顔を見せてよ……

心に切なさと苦痛が……

俺、嫌われちゃった……?いつも話しかけてたから……こっちを全く見ないまま……遠ざかっていく背中……何もできずに、ただ他の店員と話してるだけ……そんなのいやだ……俺はテーブルの下で拳を握りしめた。

近くを通りかかった時、呼び止めた。コーヒーのおかわりを頼んだ。だけど、持ってきたのはまた他の店員……
「桜ちゃんに頼んだのに、なんで?」
「この席の担当は私なので……」
「じゃ、どの席に行けば桜ちゃんが担当なの?」
「なんでそんなこと言うんですか?私じゃいけないんですか?」
「俺は、桜ちゃんと話したいだけ……」
「なんであんな子……」
「あんな子?それ、キミに関係あるの?」
「分かりました。桜井を呼びます。」

やっと、桜ちゃんがきた。
「無理やり……ごめんね。話したいことがあるんだ。」
「ここじゃダメなんですか?」
「うん……」
「あと1時間後に仕事が終わるので、その時で……」
「わかった。」

1時間後に、店の外で待っていた。
「会ってから……早すぎなのもわかってる。だけど、桜ちゃんのことが好きなんだ。初めて会った時から……」
「え……っ……」
「急にヘンなこと言ってごめん……びっくりさせちゃったね。最初は一目惚れだったんだ。でも、どんどん好きになっていった。すぐに答えてくれなくてもいい、でも俺の気持ちを知ってほしい」
「ごめんなさい。今は誰かと付き合うとか考えられないんです。でも、せっかく知り合えたのに、このまま終わりにはしたくない。」
「これからもっと俺のこと知ってほしい。好きな気持ちを伝えられたからよかった……」
「でも、やっぱり……付き合うのは……気になる人がいるんです……」
「え……誰?俺も知ってる人?」
「知らない人です……」
「どんな人……」
「どんな人って言われても……一度しか会ったことのない人で…」
「一度しか会ったことのない人が気になってるの?」
「はい……」
「俺を諦めさせるためのいいわけ?」
「ち……違います……本当に公園で一度会っただけなのに、気になって……」
え?公園……?
「あのさ……それって、公園のベンチだったりする?」
「はい……」
「ベンチで泣いてた……?」
「なんでわかるの……?」
「多分……それ……俺……」
「え?」
「なんで、わかんねーんたよ……」
「泣いてたから、ぼやけてて……顔をよく見てなくて」
思わず抱きしめた……
「あ……あの時と同じ……」
「わかった……?」


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