湖都子のポエム7
優しさにふれて……
「どうせ私なんて……」
自分に自信がなくて
どんどんひねくれていく心
だけど優しさにふれて……
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仕事にも慣れてきた。1人でも生きていけると思っていた。だけど、心の底では寂しさを埋めてくれる人がほしかった。
お客様がきた。なんでこんなところで出会ってしまうんだろ……
「なんで、こんなところにあんたがいるのよ……」
「ここで働いているので……」
「ふぅーん……そうなんだ」
両親がいないことや、高校生のときバイトばかりしていて、おばあちゃんと貧乏な生活をしていたことを話していた。確かに……全部事実だもの……ここも辞めなきゃなのかな……
「ほんと……いやね……」
やっぱり……いやだやね……
「わざわざそんな話をするなんて……桜井さんはキチンと仕事をしているし、そんなの関係ないわよ。」
え……
「そんな貧乏な人を雇うなんて……」
「あなたって、本当に性格悪いのね。息子とお見合いって話だったけど、こんな人じゃ嫌だわ。今回のお話はなかったことにしてくださいね。おばさまも、こんな人を紹介するなんて……2人とも、もう帰ってきださいね」
帰っていく2人……
「奥様……隠していてすみませんでした……」
「言いたくないことくらい誰にだってあるわよ。気にすることないわ。真実ってそんなに大事?あなたが悪いことをしたわけじゃない。ちゃんと仕事をしてるんだから、それでいいのよ。」
ひねくれていた心が、優しさにふれて……