東の空の金星
海から町を見渡すと、住宅街が丘の上に広がっているだけで、

近くに店は見当たらない。

海沿いをもう少し戻るか、行くかすれば

海岸沿いにおしゃれな店がいくつもあったはずだ。

浜から道路に出る階段を目で探すと、

さっき、見上げた住宅のひとつに動く人影があった。

テラスになっているのかな?テーブル…ひとつじゃない。

ひとがいくつかに分かれて座っているみたいだ。

あれってカフェ?じゃない?

わたしは偶然見つけた隠れ家的お店に興味を惹かれ、

砂浜から続く階段を上がって、海岸通りの道に出る。


道路を渡ると、江ノ電の線路が海岸沿いを走っている。

ここは駅から近いんだな。

じぶんのいる位置を確認し、私は住宅街に続く坂道を登る事にした。
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