恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
帰り道。

今日はの病棟は落ち着いていて良かったとホッとしていた。

でも、急に爆弾気圧とかで、音を立てて雨が降っていて、
けっこう濡れてしまった。
早く着替えなければ、と急いで歩く。
昼に飲んだ咳止めの効果が切れかかってきたのか、なかなか咳が止まらない。
部屋のドアを開けたら、リュウが出かけるところに出くわした。

「おかえり、ひどい雨だねー。ナナコ濡れた?」と声をかけてくる。

私は首を横に振って、笑って手を振る。
口を開くと、咳が出てしまいそうだ。

「あれ、ナナコ、濡れてるじゃん」と肩を掴むので
「大丈夫」と、言った途端に咳き込んだ。

やっぱり、喋ると咳がでる。
何度か咳き込んでから、リュウを見上げると恐い顔をしている。

「風邪引いたのか、熱は?」とおでこに手を当てる。
「熱はないから大丈夫。出かけるところだったでしょ、出かけて」とまた、咳き込みながら言うと、

「おまえ、その咳さあ…」と言って私を壁に押し付け、胸の上に耳を付ける。
私は息を止めようとしたが、また咳き込み、呼吸が荒くなる。

「コラ、ナナコ。おまえ、喘息か?」とあっさりばれた。
「当たり。聴診器なくてもわかるんだ。」と笑ったら、おでこを突かれた。

「予防薬は飲んでるのか?」と聞くので、
「春には飲んでたけど、夏には発作は出たことないから飲んでなかった。
でも、今朝は飲んだ」というと、
「それじゃ、間に合わないだろ」と怒られた。
「吸入器は?」
「家。大人なってから、発作起こしてなかったから…」といったら、
リュウはスマホでタクシーを呼んだ。

「ナナコ、濡れた服を急いで着替えて、診察券と保険証」と強い口調で言う。
「え?リュウ、出かけたら」と抵抗したがけど睨まれた。

また、勤務先に逆戻りだ。

くー、恥ずかしい。
自己管理ができていないって思われる。
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