恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
ストレッチャーの背を起こし、よりかからせて座らせ、上半身裸にする、

処置をする右側の腕をあげ、横に伸ばして、

そのまま手のひらを返し頭の上に触れるようにする、

リュウが
「シェーってポーズだよ、知ってる?」

とやって見せるので、少年は

「知らない」と笑いをこらえる

「だよねえ」

といいながら涼子先輩が上げた手を反対に立っておさえた。

「先生、古い」と私も冷たくいうと、

「お前ら、若いふりすんなよー
ここの外来で部長もやってるだろ。」

とリュウが笑い少年も声をだして笑った。


だいぶ、緊張がほぐれたかな、

「じゃあ、始めよう。ここ清潔ね」

と処置用ワゴンに滅菌の布を広げた。
私は不潔にならないように注意しながら
必要なものを落とすように布の上に置く。

リュウが
「消毒。」と鑷子(せっし)を持ったので消毒薬に浸った綿球を差し出した。
2年半もここから離れていたけれども、忘れないものだ。

スムーズに処置は進む。

局所麻酔をかけ、

「ちょっと、押されるような感じがするけど、動かないで」

と患者に声をかけ、器具の先を少し力を入れて、胸に刺す。

「よし、オーケイ。
もう少しだから、じっとして。」と器具を固定しようとする。

突然、リュウが
「あ、こら、動くな」と言って

あっという間に高校生の意識が薄れていく。
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