恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
「ナナコ、救急カート(緊急の処置をする為の薬品や物品が揃っているワゴン)持ってきて」
と、言った目の前にさっき手にした手にした薬品をみせ、

「これでいい?」と尋ねると、

「ナナコ、ちゃんと働けるじゃん」と安心したように言って


「当然です。私が育てたんですから。」

と涼子先輩が顔をしかめた。

速やかに薬品を準備して、少年に使用する。

と、高校生の意識は程なく回復した。

処置が終わり、

リュウが
「ダメじゃん、動いちゃあ」と少年に文句を言うと、

「安心したら、お姉さんの顔、気になって、タイプだなって、思って、
…そしたら気を失ってた。
気を失っても、声って聞こえるんだね。
お姉さんナナコって言うんだ。」とボソボソ言った。

私が呆れてプッと吹き出すと、

「こら、少年、病院でナンパしていいのは、
昔から医者だけって決まりがあるんだぞ、
それにナナコは俺が口説いている途中だから、邪魔すんなよ」
と不機嫌な顔で言っている。

私は焦って、
「違います、病院ではナンパは禁止です!
それに、口説かれていません!!」と声が大きくなる。

ハッとして口をふさぐが、処置室にいたみんなが注目して、止まっているのがわかる。

「ナナコちゃん、みんなに聞こえてますよー。
みんなも固まってないで、手を動かす。」

と涼子先輩がパンパンと手を打つ。


「ナナコはあいかわらず、鈍いな。」とリュウがくすんと笑う。


「尾崎 先生も仕事!」

と涼子先輩がリュウも追い立て、救急外来が動き出した。

…恥ずかしすぎる。
私は顔を赤くして片付けを黙々とした。
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