恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
「ふーーん」と昴は言って、
「ずっと、ナナコが好きだったんだねー」と笑って、まあ、飲んで。
とリュウにお酒を注ぐ。
リュウは頑張って飲んでいるが、
兄弟で交互に注いでくるので、 だんだん瞼が重くなってきているようだ。

とっくに父は自室に引き上げてしまい、リュウは兄弟2人を相手に多分限界だ。私が
「もう、飲ませないで」と2人を睨むと、恒星は憮然とし、昴は「はーい」と返事をする。

リュウに
「少し、眠ったら」と声をかけると、そのままソファーに転がって、鼾をかいて眠ってしまった。

昴が恒星に
「これで気が済んだ?」と聞くと、 ふんと鼻を鳴らす。了承の合図だ。

やれやれ。


「この人とナナコが朝の散歩してるとこ、見に行ったらさ、」と昴が恒星にいう。

こら、電話しただけじゃなかったの?

「ナナコの周りを嬉しそうに行ったり来たりしてて、レオの事思い出した。
レオってさ、俺たちが散歩連れてく時は大人しくしてるのに、
ナナコと散歩行くと、じゃれて楽しそうだったじゃん。
ナナコの言う事はちっとも聞かないのに、
ナナコが泣いてたり、落ち込んでたりするとずっとそばを離れなかった。
こいつもそんな感じなのかなって思ってさ、笑っちまった。」

「まあ、大型犬のイメージはあるな。」と恒星も笑う。

「まあ、忠犬ハチ公ならぬ、リュウ公ってことで許してやってよ。
この人、ナナコにぞっこんなのは見ててわかったでしょ?」と言ってくれて、父と恒星という、大きな関門が突破されたのだった。
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