恋人未満のルームメイト（大きな河の流れるまちで。リメイク版）

リュウは
「早く出られたから、寄り道しよう。」と車を走らせる。
川にかかった橋を渡り、海沿いの道に出た。
しばらく走ると、この辺りでは珍しい路面電車に出会う。
レトロな電車は3両編成かな。
すごく近くをゆっくり走っている。
私が驚いて、見ていると
「今度、乗ってみようか？」と笑いながらリュウはいう。そして、
「ろくにデートもしてないから、これからたくさん出かけような。」と続けたので、私はうれしくなって、信号で止まった時にリュウの手に自分の手を重ねてみる。
すると、リュウは私の手を握り返し、
「こういうのって、幸せな気分だな。」と私の手にチュとキスをして言った。


「この先の海沿いのホテルが結婚式を挙げる予約をしてあるところ。
ナナコに見せたかった。」と指をさす。

家族と親しい人達を呼ぶのでいいかな？と聞いてくる。
もちろんそれでいい。
ホテルの駐車場にクルマを入れ、車を降り、手を繋いで、ホテルの中に入った。