恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
両開きになって居るドアの片側から、
「おかえりなさい、竜也さん。」と50台くらいのスーツ姿の男性が現れる。
リュウは手を挙げ、
「母の秘書兼、家の管理をしてもらってる小沢さん」

えーと、それって、いわゆる執事ってヤツ?
リュウは笑って、うちでは昔から母が権力者なんだよ。
父には秘書はいなかったんだ。と言った。

私は車から降り、
「上川奈々です」と挨拶し、リュウに
「尾崎でしょー」と笑って、訂正され、ハッとする。
そ、そうでした。リュウは
「この人、しっかりしているように見られるけど、天然で…」と紹介する。
「可愛らしい奥様ですね。
竜也さんが選んだ女性に会うのを楽しみにしていました。」と笑顔だ。


1階の応接間のような部屋に通される。
すると、水色のワンピースを着た20代前半くらいの女性が待っていた。
少し長めのボブで、可愛らしい人だ。
「お帰りなさい、お兄様。
優姫(ゆうき)と言います。お姉さま」とニッコリする。

お姉さまって言ったね。本物のお嬢さんでしょー。

「よろしくお願いします。奈々です。」と言うと、怪訝そうにリュウを見て、
「ナナコさんって、お名前じゃあないんですね。」と笑い出し、
「お兄様がナナコさんって呼ぶので、
家の者はナナコさんって、お名前だと思っていました。」と、また、笑った。

リュウのヤツ、どんな風に私のコト、話してるんだろう。と、顔が赤くなる。
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