恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
昨日、やっと、結婚式を終えたばかりで、
疲れきったナナコをゆっくり寝せられなかった事を思い出す。

やっと周りの男ども(菅原をはじめ、ナナコを狙う奴らは数人いた)
にトドメをさせた嬉しさで、
夕方、家に戻ったその足で、ナナコをベッドに押し倒したのだ。

ナナコのちょっと待って、とか、シャワー浴びてから、
という言葉をすっかり無視して、好きなように抱いた。

まあ、新婚夫婦にはよくある、微笑ましい出来事だと思うが、
ナナコの身体から、急に力が抜けた時には、
さすがにちょっと夢中になり過ぎたと反省したが、
直ぐに意識が戻って、大丈夫。と笑ったナナコの笑顔でさらにヒートアップしてしまったもんで、
次に気がついた時はすっかり、夜中だった。

もう、動きたくないというナナコを抱き上げ、浴室に連れて行く。
丁寧に身体を洗い、髪も洗ってあげる。
ナナコは途中で、くすぐったいと笑い出し、
ちゃんと、目が覚めたみたいで、俺に小言をい言う。

よそ行きの服がしわだらけになった。とか、
持って帰ったケーキを冷蔵庫に仕舞いたかった
とかいうので、

「男には男の事情ってモノがあるし」

と俺は笑って、長いくちづけを交わすうちに、
また、ナナコが欲しくなって、ジャグジーの中で、短く交わった。

ナナコの茶色の瞳や、柔らかい声や、甘い吐息を全部自分のものにしたい。

まだまだ、俺はナナコに夢中なままなんだろうなと、思った。
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