あの日失った想い
「私が郁麻のお見舞いに行ったとき、会っちゃったの。


花恋さんに……


それから、彼女に告げられた。郁麻の過去を。


昔、何があったのか……全部知った」




ハルの顔が歪んだ。やっぱり知ってるんだ。


仁美は私の話をしっかり訊いてくれていた。




「郁麻がお父さんを亡くして、記憶喪失だってことも知ったよ。




とても辛かったんだなって……




そのとき私が傍にいたかったって……支えてあげたかったって思う。




でも、そんなことよりも私ね……人間の感情中で1番醜い感情を知ったの


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