あの日失った想い
「由佳里ちゃん。久しぶり」



病院に着くと、ロビーに郁麻のお母さんとお医者さんがいた。



郁麻のお母さんは私を見るなり、郁麻似のキレイな笑顔で微笑んだ。



「お久しぶりです。郁麻は元気にしてますか?」




私は一番気になる質問をしてみた。気になるからね。




私の言葉に反応し、郁麻のお母さんが私の肩に優しく手を置いてくれた。






「由佳里ちゃん。その事なんだけどね……」




私はゴクリと唾を飲み込んだ。彼が、彼が失敗するなんてありえないんだから!























「手術は無事に成功したわ」



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