てるてる坊主にコロサレタ
「ねぇ奈穂実。……あんたがてるてる坊主を作ったのは本当なの? 」


静かに口を開いたのは奈穂実の母親だった。


「うん、そうだよ」

「どうして? どうしてあんたが天野美晴の答案用紙を持っているの? 」

「えっと、それは……」


奈穂実は言葉を詰まらせると、申し訳なさそうにわたしを見た。
この状況で母親に“テストの結果を隠すため”というのを黙っているわけにはいかないからだと思う。



とうとう、打ち明ける時がきたみたい。



わたしは一息つくと覚悟を決めて「うん」とうなずいた。

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